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宇都宮市と周辺の自治体との合併

―広域的なまちづくりへの期待―

                      和気和子(宇都宮大学国際社会学4年)

 

研究目的

 平成13年から始まった宇都宮市と周辺自治体との合併問題は、1市3町から1市8町の大規模な合併へと移行しながらも、住民と議会との意見の相違、隣接する自治体との歴史、農業、産業などの利害関係などから、合併は未だに結論が出ない状況である。小規模同士の合併は将来的に苦しいことから,宇都宮市を含めた大規模な合併を望んでいる。交通網の発達から,日常生活圏は自治体の地域を越えて広がっている。日常的な生活圏を共にする自治体同士で、都市計画など広域的なまちづくりを目指している自治体同士との合併の可能性と広域的なまちづくりの期待を研究目的とする。

 

 合併対象なる自治体

 市町村名   人口(人)  世帯数(世帯) 面積(q ) 

                 宇都宮市  449,786      178,528    312.16

 上三川町    30,471     9,547     54.52

 上河内町    9,767     2,677      56.96

 河内町    35,149    198,351       47.72

 高根沢町   30,369     10,014      70.90

 芳賀町    17,116     4,748      70.23

 南河内町   21,181     7,004     31.35

 壬生町    39,821    13,258     61.08

 石橋町    20,210      6,535     22.43

 

  各自治体の概要

 宇都宮市

  http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/

 

 上三川町

  http://www.town.kaminokawa.tochigi.jp/

 

 上河内町

  http://www.town.kamikawachi.tochigi.jp/

 

 河内町    

  http://www.town.kawachi.tochigi.jp/

 

 高根沢町

  http://www.town.takanezawa.tochigi.jp/

 

芳賀町

 http://www.town.haga.tochigi.jp/

 

南河内町

 http://www.town.minamikawachi.tochigi.jp/

 

壬生町

 http://www.t-cnet.or.jp/~mibu/

 

石橋町

 http://www.town-ishibashi.org/

 

合併に関する経過

 平成136月 15町(宇都宮市、上三川町、上河内町、河内町、壬生町、石橋)の

         合併を検討する推進協議会を構成する。

 平成142月 広域的なまちづくりを目指すため、芳賀町、高根沢町が加わる。また、農業などで関わりの深い南河内町を加えた18町で、合併研究会を設置。

 平成1410月 南河内町、石橋町は国分町との3町合併推進のために辞退。壬生町は合併は時期尚早と宇都宮市との合併を辞退。

         市町合併研究会は解散する。

 平成156月 14町(宇都宮市、上三川町、上河内町、河内町、高根沢町)による

         任意の合併協議会が発足。

 平成161月 高根沢町は芳賀まちとの2町合併推進協議会を発足するため、宇都宮市との合併を辞退。

 平成162月 13町による法定合併協議会を設置。

 平成164月 高根沢町では、住民投票により、宇都宮市との合併への賛成が過半数を超えたため合併協議会を設置。宇都宮市は周辺3町で構成されている合併協議会と宇都宮市と高根沢町合併協議会の2つの合併協議会において、それぞれ協議を進めていく。

 平成166月 石橋町はすでに南河内町と国分町との3町合併の協議を進めていたが、住民の「招来的には宇都宮市との合併の方が良い」との意向により、合併特例法に基づく住民発議手続きを始めた。

 

合併に関するホームページ

 http://www.u-gappei.jp/

 

合併によるメリット

@     政令指定都市への移行。政令指定都市になれば、権限や財源が移譲され、行政能力がさらに向上され、都市のイメージアップによるさらなる発展も期待される。

A     住民の日常生活範囲は住んでいる自治体の区域を超えて広がっている。広域的な行政サービスの実施や、都市計画など合併すると、各自治体が一つの自治体となり、バランスの取れた一体的なまちづくりが可能となる。

B     合併により行政組織が大きくなれば、より専門的な体制や組織の効率化ができるため、行政能力を向上させ、質の高い行政サービスが提供できる。

C     各自治体の農村地帯や工業地帯といった地域の特性を生かした相乗効果のあるまちづくりが期待できる。

D     各自治体の持つ歴史、文化、伝統、施設など共有できる。

 

合併によるデメリット

@       町がおおきくなれば住民の声が行政に届きにくくなる、行政サービスが低下する。

A       編入(吸収)される各市町村では親しまれた地名が無くなる。

B       合併で地方税が均一化されるために、税(住民税、介護保険料)など負担の増減は自治体により格差が生じる。

C       地元代表議員が大幅に縮小される。

D       各自治体の独自性がなくなる。